ペアコム株式会社は、漏電ブレーカーの心臓部である電子回路を製造する会社として発足しました。
漏電ブレーカーは、「人様の財産や生命を正に直接守る商品である」
だから、何百万~何千万個の内でも、たったひとつの不具合も許されません。
さらにブレーカーは、一度取り付けたら、何十年も交換しないことが当たり前の製品です。
「50年経っても確実に動作するものを作ろう」とする念いを持って創業当初から手作業を中心に行ってきました。
そんな念いを込め「より良いモノづくり」を理念に掲げています。
もちろん手作業中心ですので、不良が絶対にないと言いきれるものでもありません。
しかし、こういう理念をもって製造にとりくんでいるペアコム株式会社だからこそ、
不良率が桁違いに良好なのです。
ペアコム株式会社では、人員採用の際、ひとつだけ条件を設けています。
製造の現場に就職する人の条件です。正社員、パートさんに限らず、
「半田付け作業をする人は、経験が無いこと」ということです。
これは、創業5年目ごろまでは、設けていなかった項目です。
むしろ、経験者は早く業務に貢献してもらえると期待して、経験者を優遇してきました。
半田付け作業は、習得まで3~6ヶ月かかるからです。
しかし、何人も何人も失敗を繰り返して、分かったことは、
経験者はどうしても弊社の業務に支障があるということです。
頭で理解できても今までの経験で身についたものは、簡単に変えることができないのです。
「人間がやることだから1万個ぐらいやれば、1個ぐらいは不良もでますよ」という甘えを捨てられません。
「1個ぐらいいいじゃない」という考えは、ペアコムでは通用しないのです。
すごい実装密度の高い電子基板の製造にかかわってこられ、本人の性格も丁寧で向上心のある人でさえ、実践を積み重ねられてきて身に染み付いたものは、簡単にぬぐうことができませんでした。
そういう方は、ペアコム株式会社が目指す品質レベルには到達できません。
どんな教育を施しても、頭では分かっていても、実際の作業ではうまくいきませんでした。
以来、ペアコム株式会社では、電子回路製造(半田付け)の経験者は一切入社させないことに決めざるを得ませんでした。
外注さん(内職さん)も同じです。経験があったら、絶対に駄目です。
面白いことに外注さんほど、この傾向が顕著に表れます。
他社の仕事を経験した人は、残念ながら弊社の品質レベルについてこられません。
見た目は、なんの変哲も無い半田付けという作業です。
まったく同じように見えて、全く次元の違う作業をやっているのです。